10月1日(木)の朝刊まとめ
- 1グラスホッパー・マニファクチュアがNetEase Gamesから独立──10月1日付、ガンホー傘下入りから約13年ぶりの再独立。須田剛一氏「自社パブリッシングのノウハウを積んだ」
- 2世界のゲームコンテンツ売上は2030年に2291億ドルへ──S&P Global Market Intelligence Kaganが予測、年平均2.3%成長。伸びの源は「既存プレイヤーからの深掘り」
- 3任天堂『マリオカートツアー』が9月29日でサービス終了──約7年で累計2億7600万DL・課金2億6850万ドルと推計、オフライン版の提供はなし
- 4早期アクセス11年目でまだ伸びる『BeamNG.drive』──Steam累計1000万本超・約2億ドルと推計、同時接続は毎日約2万5000人。値引きは常に20%まで
- 5きょうのSteam同時接続トップ5(2026年10月1日)──合計は約9万3000人増、『Counter-Strike 2』が113万人へ。5位は『Valheim』に代わって『FiveM』
国内グラスホッパー・マニファクチュアがNetEase Gamesから独立──10月1日付、ガンホー傘下入りから約13年ぶりの再独立。須田剛一氏「自社パブリッシングのノウハウを積んだ」
グラスホッパー・マニファクチュアが、10月1日付でNetEase Gamesの傘下を離れ、独立したスタジオとして再出発します。9月30日に発表されたもので、AUTOMATONおよびGamesIndustry.bizが報じました。
同社は1998年に設立され、代表取締役を須田剛一氏が務めています。『シルバー事件』『花と太陽と雨と』『killer7』といった独特の作風の作品で知られ、『No More Heroes』シリーズや『Shadows of the Damned』も手がけてきました。2013年にガンホー・オンライン・エンターテイメントの子会社となり、2021年には株式譲渡契約によってNetEase Gamesの傘下へ移っています。今回の独立は、ガンホー傘下入りから数えて約13年ぶりの再独立にあたります。
NetEase Games傘下では、2024年7月に『Shadows of the Damned: Hella Remastered』を、2026年2月には完全新作『ROMEO IS A DEAD MAN』を発売しました。同作はSteamで約2000件のレビューのうち87%が好評とする「非常に好評」のステータスを得ています。
独立の理由について、須田氏はプレスリリースで次のように説明しています。『ROMEO IS A DEAD MAN』の発売を経てスタジオの次の方向性を考えたとき、「より幅広いスタイルのタイトルを、世界中のゲーム好きに届けたいという強い思いがあることが分かった」ため、「グラスホッパー・マニファクチュアは再び独立したデベロッパーとして前進することを選んだ」といいます。
NetEase Gamesとの関係については、「この決定は、NetEase Gamesとの十分な話し合いを経て、同社の多大な協力のもとで至ったものです」「両社が築いてきた素晴らしい関係を今後も大切にし、機会があればさらなる協業を楽しみにしています」と述べています。円満な離脱であることを、双方が明言している形です。
今後の体制について、須田氏は「自社パブリッシングのノウハウを高めてきたことで、いまは幅広い選択肢を持っています」「ゲームがどのように販売されるかにかかわらず、グラスホッパー・マニファクチュアに期待される『NO GAME NO LIFE』なゲーム体験を、独自の持ち味とさらに高めた品質で作り続けることに変わりはありません」としています。
個人開発者の視点で見ておきたいのは、「自社で売る力」が独立の前提条件として語られている点です。須田氏が挙げた独立の根拠は、作風や人材ではなく、パブリッシング側のノウハウでした。大手の傘下にいる期間に、開発だけでなく販売・宣伝・プラットフォーム対応の知見を自社に蓄えておけるかどうかが、その後に取れる選択肢の幅を決めるという話です。規模は違っても、受託や共同開発で誰かの看板の下に入るとき、そこで何を自分の資産にして持ち帰るのかを意識しておく意味は同じです。作品を出すたびに「次は自分で売れるか」を一段ずつ確かめていく積み上げ方は、13年かけて元の場所に戻ったこの事例が示す通り、時間はかかりますが確実に選択肢を増やします。
出典: AUTOMATON
海外世界のゲームコンテンツ売上は2030年に2291億ドルへ──S&P Global Market Intelligence Kaganが予測、年平均2.3%成長。伸びの源は「既存プレイヤーからの深掘り」
世界のゲームコンテンツ売上が、2025年の2044億ドルから2030年に2291億ドルへ増えるという予測が出ました。年平均成長率(CAGR)にすると2.3%です。S&P Global Market Intelligence Kaganによる調査で、GamesIndustry.bizが報じ、PocketGamer.bizが9月30日付で取り上げています。
5年で約247億ドル増える計算ですが、年平均2.3%という数字は、これまでのゲーム市場の成長イメージに比べると緩やかです。同社はこの伸びの源を、新規プレイヤーの獲得ではなく、既存プレイヤーからの収益化の深掘りに置いています。具体的には、ライブサービス型の引き止め(リテンション)、有料の追加コンテンツ、サブスクリプション、ゲーム内購入の4つを挙げています。
プラットフォーム別では、PCが最大の伸びを担う見通しです。2025年の422億5000万ドルから2030年に492億3000万ドルへ、CAGR 3.1%で増加するとしています。デジタル配信の広がり、クロスプラットフォーム対応の拡大、そしてアジア太平洋地域での好調が理由です。
最も成長率が高いのはクラウドゲーミングです。2025年の61億2000万ドルから2030年に97億1000万ドルへ、CAGR 9.7%で伸びると予測されています。回線品質の向上とサブスクリプションモデルの普及が支えになるという見方です。
コンソールについては、『Grand Theft Auto 6』とNintendo Switch 2の販売が追い風になると見られています。一方でS&Pは、Xbox Series系が「大きく弱含んでいる」と指摘し、2030年までにPC市場がXboxのソフト売上を「侵食し始める」と予想しました。Xboxは直近でハードウェア売上が前年同期比29%減、売上全体で17億ドルの落ち込みを報告しています。
地域別では、アジア太平洋が最大のシェアを保つ見通しです。大きなモバイルユーザー基盤、強固なPCゲーミングのインフラ、そしてブロードバンド環境の改善が続くことが根拠とされています。
ただし同社は、下振れ要因も並べています。コンソール本体価格の上昇、インフレによる消費者への影響、開発費の増大、そして長期化する開発期間です。同社アナリストのNeil Barbour氏は「ゲームは成長市場のままですが、業界の次の段階は、既存プレイヤーからより大きな価値を生み出すことに一層依存していくでしょう」「パブリッシャーは主要プラットフォームをまたいで収益化を深められることを示してきましたが、開発費の上昇、価格の上昇、そしてより選択的になった消費者という課題に、依然として直面しています」と述べています。
個人開発者の視点で見ておきたいのは、「市場全体は伸びるが、その伸びは新規プレイヤーからは来ない」という構図です。年平均2.3%という数字は、新しい客が自然に増えていく前提での事業計画が成り立ちにくくなることを意味します。予測が想定している成長の中身は、すでに遊んでいる人からどれだけ多く受け取れるかであり、これはライブサービスや定額制を回せる規模の会社に有利な話です。小規模な作り手にとっての読み替えは2つあります。ひとつは、PCとアジア太平洋という伸びる側の条件に自作を寄せられるか。もうひとつは、「より選択的になった消費者」という言葉どおり、買う理由が明確でない作品が最初に切られる前提で、作品の輪郭をはっきりさせておくことです。
出典: PocketGamer.biz
国内任天堂『マリオカートツアー』が9月29日でサービス終了──約7年で累計2億7600万DL・課金2億6850万ドルと推計、オフライン版の提供はなし
任天堂のスマートフォン向けレースゲーム『マリオカートツアー』が、9月29日午後11時(米太平洋時間)にサーバーを停止し、約7年のサービスを終えました。mobilegamer.bizとPocketGamer.bizが伝えています。
サービス終了は7月8日に告知されており、任天堂は理由を明示せず、「サービス開始からずっと本作を愛し、支えてくださったみなさま」への感謝を述べていました。ルビー(有償通貨)の販売は7月7日に終了し、残っているルビーはスポットライトショップ、Miiレーシングスーツショップ、コインラッシュで最終日まで使える形になっていました。マリオカートツアーゴールドパスの自動更新も7月に停止され、特典は最終日まで無料で提供されました。
本作は2019年9月にiOSとAndroid向けに配信を開始しました。開発はDeNAとの共同です。AppMagicの推計では、ダウンロードのピークは2019年9月26日で、24時間で1470万回。初週で5400万回、最初の1か月で8180万回に達しています。
同推計によると、配信開始以降の累計ダウンロードは2億7600万回を超え、任天堂にもたらした課金収入は2億6850万ドルとされています。課金収入のピークは配信直後で、2019年10月の1か月で2200万ドル近くを記録しました。
しかしその後、任天堂は収益の勢いを維持できませんでした。月間の課金収入は2020年から2021年の大半で500万〜600万ドル程度にとどまり、2021年後半から2022年にかけてさらに低下、月平均およそ300万ドルになります。2022年後半にガチャの仕組みを廃止したことで、課金収入の減少はさらに加速しました。7月に終了が告知された時点では、月間約65万ドルの水準でした。
課金収入の内訳は、米国のプレイヤーが39%、日本が26%を占めています。それ以外の市場は1桁台のシェアで、フランス、ドイツ、英国が5〜6%でした。ダウンロード数では米国が21%、メキシコが12%、ブラジルが9%、日本が7%という並びです。
重要なのは、オフライン版が提供されないことです。任天堂は代替版を出さないと明言しており、アプリをインストール済みのプレイヤーであっても起動できません。結果として、プレイヤーが集めたドライバー、カート、グライダー、カップへのアクセスは失われました。アプリはApp StoreとGoogle Playに掲載されたままですが、起動するとサービス終了とメンテナンスの案内が表示されます。任天堂は終了に合わせて「Final MKT Report」と題した画像を公式アカウントに投稿し、本作には累計546以上のコースが収録されていたことを明らかにしました。
mobilegamer.bizは、任天堂のモバイル事業自体が縮小傾向にあると指摘しています。同社は2016年の『Super Mario Run』でこの分野に参入しました。任天堂以外のハードウェアに、自社が手がけるマリオのアクションゲームが登場した初めての例でしたが、それから10年を経てモバイルからの後退が進んでいる、という整理です。
個人開発者の視点で見ておきたいのは、7年・2億6850万ドルという規模の作品でも、終了時には「遊べなくなる」という結末しか用意されなかったという事実です。ライブサービス型の設計は、運営が続く限りは収益を積み上げますが、止まった瞬間に作品そのものが消えます。個人の規模であれば、サーバーへの依存度を下げる設計、あるいはサービス終了時にオフラインで遊べる状態へ移す手順を最初から想定しておくことが、同じ結末を避ける手立てになります。もうひとつは収益カーブの形です。本作の課金収入はローンチ月がピークで、そこから戻ることはありませんでした。ローンチ後に伸びる前提の計画は、モバイルでは例外に近いという実例として見ておく価値があります。
出典: mobilegamer.biz
開発者の目早期アクセス11年目でまだ伸びる『BeamNG.drive』──Steam累計1000万本超・約2億ドルと推計、同時接続は毎日約2万5000人。値引きは常に20%まで
「PCで静かに巨大かつ長寿だが、ほとんど分析されていないゲーム」を取り上げるGameDiscoverCoの連載で、車両の物理シミュレーター『BeamNG.drive』(25ドル)が扱われました。ニュースレターを執筆するSimon Carless氏は、この連載の第1回でゾンビサバイバル『Project Zomboid』を扱っています。
本作は2015年5月から早期アクセス(Early Access)のままです。11年目に入った現在、Steamでの同時接続プレイヤー数は日常的に約2万5000人に達しており、GameDiscoverCoは「そのライフタイム全体を通じて、同時接続を徐々に増やし続けてきた」と書いています。7月に実施された過去最大のアップデート後には、4万7000人という最高値も記録しました。PlayStation 5版も準備中とのことです。
規模の推計は次の通りです。GameDiscoverCoは『BeamNG.drive』のSteamライフタイム総売上を約2億ドル、販売本数を1000万本超と見積もっています。直近12か月だけで130万本が売れたとしています。注目すべきは価格政策で、同社によれば本作はこれまで20%より深い割引を一度も実施していません。独自性の高いプロダクトであることが、その根拠だとされています。
開発・運営を担うのはドイツのBeamNG GmbHで、従業員は85人です。同社は『BeamNG.drive』と並行して、自動運転シミュレーターなど実車のプロトタイピングに使われる法人向け版『BeamNG.Tech』も提供しています。GameDiscoverCoは、同社の事業・戦略責任者であるSabrina Wee氏らからコメントを得ています。
同社が強調するのは、「ソフトボディ物理」を正確に再現するという一点に長く投資してきたことです。Wee氏らは「ソフトボディ物理は、長く、地味な投資です。今日の位置に到達するまでには、多くの作業と献身が必要でした」と述べています。この試みには20年以上の前史があり、2005年に登場したフリーウェア(のちにオープンソース化)の『Rigs of Rods』が同様の目標を掲げていました。『BeamNG.drive』の創業者たちは同コミュニティの出身で、2013年に最初のデモを公開しています。
伸びた要因として挙がったのは3つです。ひとつはマルチプレイのユーザー制作コンテンツ(UGC)で、非公式のマルチプレイMODが普及しました。ふたつめは配信者・実況者の影響で、クラッシュ動画やシムレース系のYouTuberが本作を扱い始めたことが転換点になりました。みっつめが評価の積み上がりです。Wee氏は、Steamでは97%という高いユーザーレビュー評価によって「可視性も複利で効いてくる」と述べています。加えて、PCの性能向上によって多数の車両をソフトボディ物理で処理してもフレームレートが落ちにくくなったという、技術側の事情もあるとGameDiscoverCoは見ています。MODを入れて重くなる分はプレイヤー側の環境の問題になる、という点も指摘されています。
もうひとつの特徴は、単一のターゲット市場を持たないことです。車をクラッシュさせて壊れ方を見たい人、ラリーやシムレースを楽しみたい人、ジープでのロッククロール、泥地でのオフロード走行――どれもこのゲームで成立します。GameDiscoverCo Proのプレイヤー重複データでも、改造しやすいシムレーサーからトラックシム、破壊サンドボックス、サバイバル系の運転シムまで、幅広いタイトルとの重複が確認されたとしています。
車のIPは公式にはライセンスしていませんが、プレイヤーはどうしても実在の車を運転したがります。Steamのスクリーンショットには多数のBMWやメルセデスのモデルが写っており、公式のMODサイトやゲーム内ブラウザには存在しないものです。実際には、Modlandのような第三者のUGCサイトに、ファンが作り込んだモデルが大量に置かれています。GameDiscoverCoは、これを「UGC×プラットフォーム=夢にも思わなかった市場の拡大」と表現しました。
Wee氏の説明で、最も要点を突いているのは次の言葉です。「その根底にあるのは、題材が古びないということです。物理も車も流行り廃りがありません。私たちの成長は、何かひとつの瞬間に駆動されたものではなく、段階的なものでした。だからこそ持続してきたのだと考えています」。
個人開発者の視点で見ておきたいのは、この事例が「何をしなかったか」です。11年間、早期アクセスから出ていません。20%より深い値引きをしていません。有名IPのライセンスも取っていません。そのかわりに、古びない題材をひとつ選び、MODとコミュニティに拡張を任せ、レビュー評価を積み上げ続けました。結果として、売上の山は一度も来ませんが、代わりに落ちることもありません。ローンチの1週間に全てを賭ける設計とは正反対の形です。自作が「古びない題材」に当たっているなら、発売日を頂点にする売り方ではなく、5年かけて可視性を複利で増やす売り方が選べるかもしれません。判断材料になるのは、題材が流行に依存しているか、プレイヤーが自分で遊びを増やせるか、そしてMODを受け入れる余地を最初から設計に入れているか、の3点です。
出典: GameDiscoverCo
きょうのSteamきょうのSteam同時接続トップ5(2026年10月1日)──合計は約9万3000人増、『Counter-Strike 2』が113万人へ。5位は『Valheim』に代わって『FiveM』
2026年10月1日朝の時点でのSteam同時接続プレイヤー数トップ5は、1位『Counter-Strike 2』が約112万5000人、2位『Dota 2』が約69万2000人、3位『WARDOGS』が約22万9000人、4位『PUBG: BATTLEGROUNDS』が約22万2000人、5位『FiveM』が約17万5000人でした。
上位5本の合計は約244万4000人です。前日の約235万1000人から、約9万3000人増えました。前日は約1万4000人減で下げ幅が止まった形でしたが、今朝は明確に増加へ転じています。
内訳を見ると、最も伸びたのは1位の『Counter-Strike 2』です。前日の約103万人から約112万5000人へ、9万5000人あまり増えました。当日ピークも約131万6000人で、前日の約120万人から大きく上振れしています。4位の『PUBG: BATTLEGROUNDS』も約19万6000人から約22万2000人へ2万6000人増え、順位を1つ上げました。
一方で減ったのは2位と3位です。『Dota 2』は約70万9000人から約69万2000人へ1万7000人減り、『WARDOGS』は約23万6000人から約22万9000人へ6000人あまり減りました。『WARDOGS』は9月29日朝の約25万8000人から3日続けて減少しており、当日ピークも約23万2000人と現在値に近づいています。ローンチ直後の山が落ち着き、定常の帯へ向かっている局面と見られます。
5位の顔ぶれが変わりました。前日5位だった『Valheim』(約18万1000人)が圏外に落ち、代わって『FiveM』が約17万5000人で入っています。『FiveM』は『Grand Theft Auto V』のマルチプレイ用MODフレームワークで、ロールプレイ系サーバーの人気を背景に上位に定着しつつあります。合計値の比較は5位の入れ替わりを含む数字である点に注意が必要ですが、入れ替え前後の差は6000人程度で、今朝の増加の大半は1位と4位の伸びによるものです。
出典: Steam
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