2026年10月6日(火) YouTube 番組について
NG+ ゲームビジネスの朝刊、毎朝5分。
朝刊まとめ2026-09-29

9月29日(火)の朝刊まとめ

5:11

海外サウジアラビアのPIF、EAを傘下のSavvy Games Groupと統合する案を検討と報道──550億ドルの買収完了から1か月、Moonton買収の完了待ちか

サウジアラビアの政府系ファンドであるPIF(公共投資基金)が、Electronic Arts(EA)を傘下のSavvy Games Groupと統合する案を検討していると報じられました。Bloombergが関係者の話として伝え、GamesIndustry.bizが9月28日付で報じています。PIFとEAはいずれもBloombergの取材へのコメントを断り、Savvyの広報担当は問い合わせに応じませんでした。現時点では「検討段階の報道」であり、両社から公式な発表は出ていません。

背景となるのが、先月完了したEAの買収です。PIF、Silver Lake、Affinity Partnersを中心とする投資家グループが、550億ドル規模のレバレッジド・バイアウトによってEAを非公開化しました。この取引によってPIFはEAの筆頭株主となっています。買収の発表は昨年9月で、完了までおよそ1年をかけた大型案件でした。

関係者によると、今回の統合構想の目的は「保有資産どうしのより良い連携を確保すること」だとされています。つまり、投資先を個別に持つ状態から、事業として束ねる段階へ移そうとしている、という位置づけです。

統合の相手となるSavvy Games Groupは、2021年に設立されたサウジアラビアのゲーム持株会社です。ポートフォリオには、モバイル大手のScopely、eスポーツ運営のESL Gaming、対戦プラットフォームのFaceItが並び、Embracer Groupには10億ドル規模の出資を行っています。さらにサウジ側は、任天堂、カプコン、ネクソン、Take-Two Interactive、Activision Blizzard、コーエーテクモといった各社の株式も保有しています。同社の設立以来の投資規模は、378億ドルに達するとされます。

ただし、統合がすぐに動く見込みは薄いようです。Savvyは今年3月に発表した中国のモバイルゲーム企業Moontonの買収を60億ドルで進めており、関係者は、この手続きが完了するまでEAをSavvyへ統合する動きは進まないだろうと見ています。

経営体制も直前に動いています。先週、Savvy Games GroupのCEOであったBrian Ward氏が退任し、PIF副総裁で国際投資部門を統括するTurqi Alnowaiser氏が暫定CEOに就任しました。Ward氏は社内向けの文書で「Savvyが次の変革的な成長期に入るにあたり、その進化に向けた新しいリーダーシップを迎えるのに適した時期です」と述べています。Ward氏は2021年の設立以来CEOを務めてきた人物で、トップ交代の直後に統合構想が報じられた形です。

EAは買収完了時、従業員向けの文書で「当社の使命、価値観、そして世界中のプレイヤーとファンへの約束は変わりません」「EAは創造的なコントロールを維持し、創作の自由とプレイヤー第一の価値観という実績もそのまま保たれます」と説明していました。今回の報道が事実であれば、この「変わらない」という説明の枠内で、資本の上位構造だけが組み替わることになります。

個人開発者の視点で見ておきたいのは、資金の出どころが束ねられると、判断の基準も束ねられるという点です。Savvyの傘下にはScopelyのようなモバイルの巨大パブリッシャーがあり、ESLやFaceItのような競技・プラットフォーム側の資産もあります。ここにEAが加わると、パブリッシング先として見たときの窓口の数は実質的に減ります。出資や配信契約の交渉相手が集約される流れは、条件面の交渉余地にも影響します。どの資本系列がどこまで広がっているかは、売り込み先を選ぶ前に把握しておく価値があります。

出典: GamesIndustry.biz

海外Roblox、クリエイターの作品を各プラットフォームの単体アプリとして配信可能に──「Roblox Everywhere」発表、年内にブラウザ直接起動、Roblox Walletで日次払いへ

Robloxは、クリエイターが自分の作品をモバイル、PC、コンソールへ配信できるようにする取り組み「Roblox Everywhere」を発表しました。今年のRoblox Developers Conference(RDC)で明らかにしたもので、GamesIndustry.bizが9月28日付で報じています。作品は各プラットフォーム上で独立したアプリとして提供でき、その下で動く技術とサービスはRobloxが担う形になります。

現時点で未確定なのは、サードパーティのストアフロントに並ぶかどうかです。Robloxの担当者はPC Gamerに対し「まず一部のゲーム開発者とストアフロントに限定してテストを始め、詳細は追って共有します」と説明しています。つまり全クリエイターがすぐに任意のストアへ出せるようになるわけではなく、限定的な試験運用から始まります。

配信面ではもうひとつ、2026年内にプレイヤーがExperience Detailsページからブラウザ上で直接ゲームに参加できるようになります。アプリのインストールを必要としない形で、まずChromeに対応し、他のブラウザは順次追加されます。加えて、クリエイターはオフラインでのソロプレイを有効化できるようになり、この機能は早期アクセスを経て2027年半ばまでに正式提供される予定です。

エンジン側の更新も告知されました。正射投影(オルソグラフィック)カメラ、アニメーション対応の画像コンテナ、スプライトシートの直接インポート、UI機能とグラデーションの強化などが含まれます。またRobloxのクラウドOSには「ゲームの複雑さに合わせて作られた」AI創作レイヤーが追加されます。モバイル向けのAI機能「Build」は、ニュージーランドでのアルファ提供に続き、セルビアとシンガポールへ拡大します。Robloxは今年すでに、単一のプロンプトからゲームを構築できるエージェント型AIツールを導入しています。

クリエイター経済の側では、Roblox WalletとRoblox Cardが発表されました。収益への「より速く、より柔軟なアクセス」を提供するもので、現地通貨での日次受け取りと、他のRobloxアカウントや外部の銀行口座への送金に対応します。Roblox Walletは今年12月に、米国の18歳以上の独立クリエイター向けから提供が始まり、翌年以降に国際展開する計画です。物理カードは2027年に発行され、利用可能な残高を受け入れ先のある場所で直接使えるようになります。

この発表の前提として押さえておきたいのが、Robloxの直近の業績です。同社は最新の決算で売上が36%増の15億ドルになったと報告した一方、米国とカナダの若年層における時間あたりマネタイズの低下によって、ブッキングの伸びに対して着地が届かない結果となりました。これを受けて株価は70%下落しています。

CFOのNaveen Chopra氏は「この基礎的な構成の変化は、当社のレコメンドアルゴリズムの変更によって増幅されました。このアルゴリズムは長期のリテンションを最適化するため、結果として継続性の高いゲームへの露出を増やし、短期のマネタイズを犠牲にしています」「第2四半期において、このトレードオフがブッキングに与えた影響は、若年層で想定より大きくなりました」と説明しています。同氏は年齢確認データを使った推薦精度の改善でマネタイズの逆風を緩和する見込みを示しつつ、「マネタイズの弱さは続く可能性が高い」とも投資家に伝えています。

個人開発者の視点で見ると、今回の発表は「Robloxの中だけで完結していた作品を、外へ持ち出せるようにする」方向転換です。プラットフォーム内の発見と課金に依存していた構造に、外部ストアとブラウザという別の入口が加わります。マネタイズの伸び悩みを抱えるプラットフォーム側が、クリエイターの収益経路そのものを広げに来た、という読み方ができます。一方で、技術とサービスの下回りはRobloxが持ち続けます。外に出せることと、独立できることは別です。試験運用の対象と条件、そして手数料の扱いが公開されるまでは、移植の受け皿として過度に期待せず、続報を待つのが妥当です。

出典: GamesIndustry.biz

国内グリーホールディングス、2027年6月期の売上高予想を570億円へ上方修正──RINDO Entertainmentの連結子会社化で約60億円増収、営業利益は39億円で据え置き

グリーホールディングスは9月28日、2027年6月期の通期連結業績予想を上方修正しました。売上高は前回予想の510億円から60億円増の570億円へ引き上げ、増減率は11.8%となります。一方で営業利益は前回予想と同じ39億円に据え置かれました。

今回の修正の理由は、RINDO Entertainmentの株式追加取得にともなう連結子会社化です。増収のほぼ全額が、この連結範囲の変更によるものと説明されています。

RINDO Entertainmentは、SNSで数十万から数百万超のフォロワーを持つアイドルグループを複数抱える企業です。メンズアイドル領域を中心に、タレント・アーティストの育成やマネジメント、イベントの企画・運営などを手がけています。

経緯を整理すると、グリーホールディングス傘下でVTuberプロダクション事業を展開するREALITY Studiosが、2026年3月にRINDO Entertainmentと資本業務提携を締結していました。両社は、グリーホールディングスの財務基盤やバックオフィス機能に、REALITY Studiosがプロダクション事業で培ってきたマーチャンダイジングやイベントの知見を組み合わせることで、事業運営の高度化・効率化といったシナジーを見込むとしていました。その後、REALITY StudiosによるRINDO Entertainment株式の追加取得が決定し、連結子会社となる予定です。

営業利益が据え置かれた点についても説明があります。株式取得にともなうM&A関連費用等の影響を勘案した結果、現時点では連結営業利益への影響は限定的となる見通しだとしています。売上だけが動き、利益は動かさない形の修正です。

前期との比較も見ておきます。2026年6月期の実績は売上高513億2,400万円、営業利益40億2,600万円でした。今回の予想では、売上高は前期実績を上回る一方、営業利益は前期をやや下回る水準が見込まれています。増収減益の絵柄です。

個人開発者の視点で読むと、ここにあるのは「ゲーム会社がゲーム以外のIP・タレント事業で売上の柱を足す」動きです。グリーホールディングスの場合、VTuberプロダクションという既存事業の隣にアイドルのマネジメント事業が並びます。作品を作る力ではなく、演者とファンの関係を運営する力を資産として扱う構図です。同時に注意して見たいのが、増収60億円に対して利益が増えていないという点です。連結子会社化は売上を即座に膨らませますが、取得費用が同時に乗るため、利益として効いてくるのは翌期以降になります。他社の「上方修正」を読むときは、それが本業の伸びなのか、連結範囲の変更なのかを切り分けて見ると誤読を避けられます。

出典: GameBusiness.jp

開発者の目生成AIの線引きが決まり始めた──上海の裁判所がAI音声業者に75万元の賠償命令、レベルファイブは映像でのAI使用を謝罪、欧州の開発者は61%が「速く多く」の圧を懸念

生成AIを「どこまで使っていいのか」という線引きが、この数日で三つの方向から具体的な形になりました。裁判所の判断、観客の反応、そして開発現場の実感です。順に見ていきます。

ひとつ目は判例です。miHoYoが中国で法的な勝訴を収めました。上海の裁判所が、名前を公表されていない生成AI開発企業に対し、75万元(約11万2,000ドル、日本円で約1,600万円)の支払いを命じました。中国の報道機関である澎湃新聞(The Paper)が伝え、AUTOMATONを経てGame Developerが9月28日付で報じています。

争点は複製と販売です。miHoYoは、被告が生成AIで『原神』のキャラクター63名の音声を複製したうえで、ゲーム内の画像やストーリーアニメーションを広告に用いて、無許諾のボイスパックを販売していたと主張しました。裁判所はこれが「ゲームの人気に便乗する意図を示している」と認定し、6月30日に当該アセットの配布停止と損害賠償を命じました。被告はいったん控訴しましたが、その後数か月のうちに取り下げています。上海における「不正競争」をめぐる同種の初判断とされます。

押さえておくべきなのは、この判決が扱った範囲です。今回問われたのは、生成AIを用いて著作物を複製し販売した行為であり、AIツールの学習データとして著作物を取り込むことの是非には踏み込んでいません。つまり「学習は未決着、複製販売は違法」という形で、手前の線だけが先に引かれたことになります。中国市場で事業を行う開発者にとっては、実務上の指針になる判断です。

ふたつ目は観客の目です。レベルファイブの日野晃博社長が、同社のデジタルショーケースで生成AIを使用していたことを認め、謝罪しました。VGCの報道によると、視聴者が『レイトン教授』と『妖怪ウォッチ』の新情報の映像にAI生成の痕跡を見つけたことが発端です。日野氏はX上で、プレゼンテーションをより華やかにする実験としてAIを用いたと説明し、ファンを不快にさせたことを謝罪しました。

同氏は同時に、ゲーム本体はAI製ではないことを強調しています。レベルファイブ作品の「魅力と個性」はすべて人の手から生まれているとし、社内でのAIの役割は主に効率化——たとえばアートワークをポリゴンへ変換する工程などにあると述べました。これは、大型タイトルの開発期間を5年から2年へ短縮するという同社の目標に対応した使い方だと説明されています。実装の内側で使うことと、観客に見せる映像で使うことは、受け取られ方がまったく違うという教訓です。

みっつ目は現場の実感です。GamesIndustry.bizが報じた、Values Value創業者でInGame Job共同創業者のTanja Loktionova氏によるレポート『Talent Signals Reshaping the Games Industry』では、欧州のゲーム開発者の61%が「生成AIによって、より速く、より多く作るよう圧力がかかる」ことを懸念していました。一方で、AIが職を失わせる、あるいは自分の職種への需要を減らすと考える人は35%にとどまります。恐れの中心は失職ではなく、増産の要求です。

同レポートには、周辺の数字も並んでいます。回答者の半数強がAIによる品質低下を懸念し、46%がAIによって実際のスキルを見極めにくくなると答えました。倫理的な懸念を挙げたのは3分の1未満の29%、懸念なしは12%です。働き方への影響は78%が「変わった」と回答しています。そして創業者側では、35%が「AIツールで対応できるため採用を見送った」と答え、48%が現在赤字経営、60%が意図的にチームを小規模に保っていると回答しました。

ここまでを個人開発者の立場でまとめると、三つの実務判断が出てきます。第一に、他社のキャラクターやボイスを生成AIで複製して配布・販売する行為は、中国でも不正競争として金銭的な責任が生じます。二次創作の範囲と、複製物の販売は別物として扱う必要があります。第二に、生成AIを使う場所を先に決めておくことです。制作工程の内側での効率化は説明可能ですが、公開する映像やプロモーション素材で使えば、観客に見つかる前提で臨む必要があります。第三に、少人数を維持する潮流は追い風である一方、「AIがあるなら速く多く」という要求も同時に来ます。使う理由を工数短縮に置くのか品質向上に置くのかを、外部と約束する前に自分の中で決めておくのが安全です。

出典: Game Developer / GamesIndustry.biz

きょうのSteamきょうのSteam同時接続トップ5(2026年9月29日)──上位5本すべてが前日割れ、合計は約28万人減。『PUBG』が『Valheim』を抜いて4位へ

2026年9月29日朝の時点でのSteam同時接続プレイヤー数トップ5は、1位『Counter-Strike 2』が約100万8,000人、2位『Dota 2』が約70万9,000人、3位『WARDOGS』が約25万8,000人、4位『PUBG: BATTLEGROUNDS』が約19万5,000人、5位『Valheim』が約19万5,000人でした。

上位5本の合計は約236万6,000人です。前日の約264万4,000人から、約27万8,000人減りました。注目したいのは、5本すべてが前日を下回っている点です。週末の山を越えて平日へ入る局面の、全体的な引きです。

内訳を見ると、下げ幅が最も大きかったのは『WARDOGS』で、前日の約33万1,000人から約25万8,000人へ、7万人以上を落としました。『Valheim』も約25万6,000人から約19万5,000人へ約6万人減り、この結果、前日4位だった『Valheim』と5位だった『PUBG: BATTLEGROUNDS』の順位が入れ替わっています。『PUBG: BATTLEGROUNDS』の当日ピークは約69万4,000人で、現在値との差が大きく、時間帯による振れ幅がそのまま順位に出た形です。

出典: Steam

月蝕綺譚 -Luna Occulta- PR 月蝕綺譚 -Luna Occulta- 喰われた月の下で、逢いましょう。放置系・和風ダークファンタジーRPG